1. 結論(ひとことで言うと)
新しいシステムの運用費は、現在の約20万円/月から、約1.3万円/月へ下がる見込みです。年間では約225万円の削減になります。
いまの費用(マッチングッドの基盤)
約20万円 /月
年間 約240万円。外部業者の管理で、自社では下げられません
新システムの費用(今のアクセス規模)
約1.3万円 /月
年間 約15万円
年間の削減額
約225万円
マッチングッドを解約した後から発生します
アクセスが大幅に増えても(上限の想定)
約3.9万円 /月
現在の約280倍のアクセスを想定した場合
使うサービス(3つ)
Webサイトを動かす Vercel(ヴァーセル)、データを保管する Supabase(スーパベース)、メールを送る Resend(リセンド)。
すべて日本(東京)で処理します。JMC名義でのAWS(アマゾン)の契約はしません。
ご留意いただきたい点
削減が始まるのは、新システムへの切替が終わり、マッチングッドを解約した後です。切替後は安全のため最低1か月、新旧を並行して持つので、その月だけ約21.3万円(二重払い)になります。
また、開発が1か月延びるごとに、いまのシステムに約20万円を払い続けることになります。早く切り替えるほど得です。
2. 何を使うのか
Webサイトやシステムを動かすには、いくつかの「部品」が必要です。お店にたとえると、下の図のようになります。
利用者
医師(スマートフォンが中心)
JMCの担当者(パソコン)
→
Vercel
お店の建物と店員
画面を表示し、処理を行う
(サイト2つ+管理画面)
→
Supabase
倉庫と会員名簿
データ・ログイン情報・
ファイルを保管する
Resend
郵便局
登録確認や求人案内のメールを送る
←
Vercel から依頼
メールを送りたいときに、Resend へ依頼する
それぞれの役割と費用(今のアクセス規模の場合)
| 役割 | 使うもの | やさしい説明 | 月額の目安 |
| サイトと管理画面を動かす | Vercel Pro | 求人サイト2つ(常勤・非常勤)と、社内の管理画面を表示・処理します。(お店の建物と店員) | 約 3,100円 |
| データを保管する | Supabase Pro (東京) | 医師・求人・やりとりの記録、ログイン情報、添付ファイルを安全にしまいます。本番用とテスト用の2つ分を含みます。(倉庫と会員名簿) | 約 6,400円 |
| メールを送る | Resend Pro(東京) | 会員登録の確認、パスワード再設定、求人のご案内などを送ります。迷惑メールになりにくい設定(送信元の認証)も行います。(郵便局) | 約 3,100円 |
| プログラムの保管 | GitHub | システムの設計図(プログラム)を保管します。 | 無料 |
| 故障の見張り | Sentry | エラーが起きたときに知らせます。個人情報は送らない設定にします。 | 無料枠 |
| サイトの住所(ドメイン) | お名前.com | 現在のものをそのまま使います。切替の手順も大きく変わりません。 | 現行のまま |
| 合計(上の3つ) | 約 12,600円 |
AWS(アマゾン)は契約しません
VercelとSupabaseは、内部では東京のAWSの設備を使っています。ただし、JMCが契約したり設定したりすることはありません。「保守当番」はサービス提供会社が担い、現在のように外部業者へ管理を頼む必要はありません。
なぜ「Cloudflare(クラウドフレア)」ではなく、この組み合わせなのか
Cloudflareも有力な候補として調べました。月額はこちらのほうが安くなります(差は月 約2,300円〜約1.8万円)。それでも採用しない理由は、次のとおりです。
- 医師の個人情報を、日本国内(東京)で処理すると保証できない(保証には最上位の契約が必要)。JMCは「医療分野の適正認定事業者」のため、これは外せない条件です。
- Webサイトを作る技術(Next.js)が、そのまま素直に動くのはVercelです。一人で運用する前提では、手間が少ない構成を優先しました。
- ドメインの管理を移す必要がなく、現在の設定のまま切り替えられます。
3. いくらかかるのか
3-1. 月額の内訳(切替後・今のアクセス規模)
| 項目 | 内容 | ドル | 円(目安) |
| Vercel Pro | 基本料(ここに1か月の利用枠$20が含まれます) | $20 | 約3,100円 |
| Supabase Pro | 基本料 | $25 | 約3,900円 |
| データベース(テスト用) | リハーサル・確認用 | $10 | 約1,600円 |
| データベース(本番用) | 小さいサイズから開始 | $15 | 約2,300円 |
| 割引 | Proプランに毎月付く | −$10 | −約1,600円 |
| データ容量の超過分 | 少しだけ超える見込み | $1 | 約150円 |
| Resend Pro | メール送信(月5万通まで) | $20 | 約3,100円 |
| 合計 | $81 | 約12,600円/月 |
※ 年間では約15万円です。現行の約20万円/月(年約240万円)に対して、約6%です。
3-2. いまとの比較
3-3. アクセス数によって、費用はどう変わるか
費用は「サイトを見に来る人(と自動巡回プログラム)の数」で変わります。いまのアクセスは、Googleアナリティクスの実測で日本の利用者が月 約5,400ページ表示(常勤サイト 約4,300、非常勤サイト 約1,000)です。これを基準に、5つの場合を計算しました。
| 場合 | 月のページ表示数 | 月額 | 年間の削減額 |
| 0 いまのまま | 約5,400 | 約1.26万円 | 約225万円 |
| A いまの約5倍 | 3万 | 約1.31万円 | 約224万円 |
| B 成長 | 15万 | 約1.57万円 | 約221万円 |
| C 大幅成長 | 50万 | 約3.5万円 | 約198万円 |
| D 上限の想定 | 150万 | 約3.91万円 | 約193万円 |
ポイント
アクセスがいまの数倍になっても、月額はほとんど変わりません(0 と A の差は月 約500円)。費用が上がるのは、アクセスがいまの数十倍になったときです。
3-4. 試算に入っていない費用
- 現行から続く費用:ドメイン(お名前.com)、会社メール(Xserverビジネス)
- コラム用の「note」、公開前の第三者によるセキュリティ診断(実施するかは未決定)
- 消費税(海外サービスの請求には10%がかかることがあります)
- 管理者を増やす場合は、1人あたり月 約3,100円($20)
4. アクセスが増えたら、何が起きるのか
Vercelの料金は「段階式」です
携帯電話のデータ通信プランのように、使った量に応じて、月の料金が段階的に上がります。
| 1か月に処理するリクエスト(アクセスの回数) | 追加料金 |
| 100万回まで(今のアクセスはほぼこの範囲) | 込み(0円) |
| 1,000万回まで | 月 約3,100円($20) |
| 5,000万回まで | 月 約1.55万円($100) |
いちばんの変動要因は「bot(ボット)」です
bot とは、人ではなく自動でサイトを巡回するプログラムのことです。実際、直近1週間のアクセスの95〜98%は日本国外(主に中国)からで、1ページだけ見て去る動きでした。
こうした自動アクセスも回数に数えられるため、人が増えなくても段階が上がることがあります。対策として、巡回の制限やアクセス元の制限ができます。
費用の見直し(運用が始まってから)
- 切替の1か月後:実際の使用量を見て、料金の方式(定額の段階式か、使った分だけか)、データベースのサイズ、バックアップの強化が必要かを決めます。
- 運用開始の3か月後:実測のアクセス数で、月額を計算し直します。
- 使用量が一定額を超えたら通知が届くよう、あらかじめ設定します。自動で止めることはしません(サイトが見られなくなるため)。
5. 「3つの環境」を用意します
システムは、本番だけでなく「練習用」「確認用」の場所を分けて作るのが一般的です。個人情報の守り方を最優先にして、次のように決めました。
ローカル開発用(手元のパソコン)
プログラムを作る場所です。入れるデータは、架空のダミーだけ。
費用:0円
ステージング確認用(インターネット上)
本番に出す前に、動きを確認・ご覧いただく場所です。入れるデータは、氏名などを置き換えた「マスク済み」のみ。関係者以外は見られないようにします。
費用:月 約1,600円
本番実際の業務で使う場所
実際の医師の個人情報は、ここにだけ置きます。切替の前のリハーサル・試験運用も、この(まだ公開していない)本番で行います。
費用:§4 のとおり
個人情報の置き場所を「本番だけ」にした理由
個人情報の管理対象を1か所に絞ることで、漏えいの危険を減らし、医療分野の認定基準を守りやすくなります。切替前の本番では、試験運用中に本物の医師へメールが誤って届かないよう、送信先を制限します。
6. 開発の進め方と、契約の時期
6-1. 開発のステップと、契約の時期
次のステップで進めます。契約は、必要になる直前まで行いません。そうすることで、無駄な費用を抑えます。
1
管理画面(CRM)を作る
求職者・求人・進捗・売上・メールなどを扱う、社内の管理画面を作ります。あわせて、現行システムからのデータ移行の手順も整えます。
このとき契約するもの:Vercel、Supabase、GitHub と、確認用(ステージング)。作りながら「実際の基盤で動くか」を早めに確かめるためです。実データは入れません。
月額 約7,000円
2
公開サイト(常勤・非常勤)を作る
求人の検索・会員登録・応募ができる、一般向けのサイトを作ります。検索からの流入を守るため、現在のURLを引き継ぐ設定も行います。
月額 約7,000円(そのまま)
3
移行のリハーサルと、試験運用
実際のデータを使って、移行のリハーサルを複数回行います。続いて、担当者の方に実際の業務の流れで試験運用していただきます。この間、本物の医師にメールが届かないよう、送信先を制限します。
このとき契約するもの:リハーサルの2〜3週間前に、本番用のデータベース。ここで初めて実データが入ります。
月額 約9,500円
4
切替(公開)
新システムを公開し、サイトの住所(ドメイン)を新システムへ向けます。会員の皆さまへ、パスワード再設定のご案内を、数日に分けて送ります。
このとき契約するもの:メール送信(Resend)の有料プラン。
月額 約1.3万円〜(§4)
5
並行稼働を経て、マッチングッドを解約
切替後、最低1か月は新旧を並行して動かし、問題がないことを確認します。その後にマッチングッドを解約します。ここから毎月約20万円がなくなります。実測の使用量で、費用も見直します。
削減が始まる(並行稼働の月は、新旧の合計 約21.3万円)
ご留意
開発の完了が遅れるごとに、いまのシステムに毎月約20万円を払い続けることになります。そのため、切替までの作業は、必要なものに絞って進めます。
7. 安全対策(バックアップなど)
データのバックアップ
- サービス標準の毎日のバックアップ(7日分)
- それに加えて、週1回、別の場所へ控えを保管(暗号化・国内)
- 添付ファイルも別に複製し、アプリから勝手に消せない仕組みにします
管理画面へのログイン
- パスワードに加えて、スマートフォンの確認コード(二段階認証)を必須にします
- 誰がどの個人情報を見た・変えたかの記録を残します
- 担当者ごとに、見られる範囲を制限します
「いつの時点にも戻せる機能」は、当面入れません
この機能(PITR)は月 約1.55万円の追加です。入れない場合、万一のときは最大1日分の入力が失われる可能性があります。誤操作や障害が心配になった時点で、あとから追加できます。